研究者たち

igoten

2009年11月12日 07:15















助手:「教授、ついに研究が完成しました」

教授:「ほう、完成したかね」
   「ところで君の研究のテーマは何だったかな?」

助手:「はい、擬態に関する研究です」

教授:「擬態かね、それでどんな?」

助手:「キアゲハの幼虫を見ていて気付いたんですが、
    キアゲハの幼虫は実に上手に周りの物に擬態します、
    そこでその遺伝子を分析して人間に移植する
    研究です」

教授:「人間が擬態するのかね? そんなことをしたら
    誰が誰か見分けがつかなくなって困るのでは?」

助手:「大丈夫です教授、人間の擬態は自分の意志で
    コントロール出来ますから、今からやってみますから
    ごらんください」

そう言うと助手は着ているものを脱いで、教授の部屋に
あった本箱に擬態した

助手:「どうですか教授」

教授:「これは驚いたどう見ても本箱にしか見えないな」

助手:「そうでしょう、ここまでなるに16年かかりました」

教授:「16年か、まあ何の役に立つかは判らんが、クラゲが
    光るのを研究してノーベル賞をとった人も
    いるくらいだからとりあえず論文を書いて
    学会に発表したまえ」

助手:「ありがとうございます、教授」

教授:「それと今日はゆっくり休みたまえ」

助手:「はい教授」

何年ぶりかで街に出た助手は昔良く通った
赤提灯ののれんをくぐった。

久々の酒は、はらわたに沁み通った。
すっかり研究完成の美酒に酔いしれた助手は
飲み屋を出た。
それは蒸し暑い夏の夜であった。

たまらず助手は着ているものを脱ぎ出した、研究室では
いつもそうしていたのだ。
しかしその頃はもうだいぶ酒が効いてきて、
頭は朦朧となり、そのまま路上で寝てしまった。
しかも道路に擬態して。

折悪くそこに大型トラックが.....

運転手:「変だな、いま何かはねたような音がしたが、
      路上には何もなかったし、気のせいか」



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