助手:「教授、ついに研究が完成しました」
教授:「ほう、完成したかね」
「ところで君の研究のテーマは何だったかな?」
助手:「はい、擬態に関する研究です」
教授:「擬態かね、それでどんな?」
助手:「キアゲハの幼虫を見ていて気付いたんですが、
キアゲハの幼虫は実に上手に周りの物に擬態します、
そこでその遺伝子を分析して人間に移植する
研究です」
教授:「人間が擬態するのかね? そんなことをしたら
誰が誰か見分けがつかなくなって困るのでは?」
助手:「大丈夫です教授、人間の擬態は自分の意志で
コントロール出来ますから、今からやってみますから
ごらんください」
そう言うと助手は着ているものを脱いで、教授の部屋に
あった本箱に擬態した
助手:「どうですか教授」
教授:「これは驚いたどう見ても本箱にしか見えないな」
助手:「そうでしょう、ここまでなるに16年かかりました」
教授:「16年か、まあ何の役に立つかは判らんが、クラゲが
光るのを研究してノーベル賞をとった人も
いるくらいだからとりあえず論文を書いて
学会に発表したまえ」
助手:「ありがとうございます、教授」
教授:「それと今日はゆっくり休みたまえ」
助手:「はい教授」
何年ぶりかで街に出た助手は昔良く通った
赤提灯ののれんをくぐった。
久々の酒は、はらわたに沁み通った。
すっかり研究完成の美酒に酔いしれた助手は
飲み屋を出た。
それは蒸し暑い夏の夜であった。
たまらず助手は着ているものを脱ぎ出した、研究室では
いつもそうしていたのだ。
しかしその頃はもうだいぶ酒が効いてきて、
頭は朦朧となり、そのまま路上で寝てしまった。
しかも道路に擬態して。
折悪くそこに大型トラックが.....
運転手:「変だな、いま何かはねたような音がしたが、
路上には何もなかったし、気のせいか」