先ほどからそいつは光る眼でこちらを狙っている。
たとえ奴が隠れていても、私にはその気配でわかるのだ。
彼らは我々とは完全に別の生物だ。
そしてこの果てしない戦いは既に5年以上もも続いている、完全な消耗戦だ。
平和なこの場所に彼がやって来た時から戦いは始まった。
これまで我々はいったいどの位の犠牲を費やしたことか。
彼らは本当に素早い、そして並はずれた飛翔力で狙い澄ましたように
獲物に飛びかかるのだ。
ほんの一瞬の気の緩みが完全な敗北に繋がるのだ。
そして今、じりじりと彼が近寄ってくる気配を感じる。
もう彼はすぐ近くにいる、彼の吐く息が私にかかるほどに。
危険だ、しかしどうしたことか私の意識が薄れてゆく、だんだんに....
遠のいていく意識の中で私はかすかに妻の悲鳴を聞いた。
「キャー! あなた、タマがまたあなたおかずの魚をとったわよ。
酔っ払って居眠りなんかしないで、しっかり見張っていなきゃ
駄目じゃないの」
すみませんね、騙すつもりなんかほんのちょっとも無かったんですが
結果的にはこんなのになってしまいました。
猫から見た人間てどんなんだろうね。
ところで先日書いた『化嫌い』と言うショートショートは
http://kotanero.naganoblog.jp/e359069.html
空から降りてくるのが人間で、住んでいるのは別の生物
という設定なんですが、わかりにくかったかなァ。