無言歌

igoten

2013年07月09日 11:00



苛政とはひどい政治を言う。

孔子が弟子たちを連れて、泰山の近くを通りかかったとき、
一人の婦人が墓の前で泣いているのに出会った。
孔子は弟子の子路にその訳を尋ねさせた。
「あなたの泣きかたは、度重なる不幸に見舞われた者のようですが、
いったい何が有ったのかと」
婦人は答える
「はい、以前、わたしの舅が虎に殺され、夫もまた虎に殺されました。
そして、今度は、我が子までも殺されてしまいました」
孔子は不思議の思って尋ねる。
「そんな恐ろしい虎がいるこの村をなぜ去らないのですか」と。
婦人は答える。
「ここには苛政がないからです」
孔子は弟子たちに言った。
「おまえたち、これをよく覚えておきなさい。苛政は虎よりも恐ろしいものだと」

「無言歌」 ワン・ビン監督
1956年、中国共産党の毛沢東は、党に対する批判を受け入れる
「百花斉放百家争鳴」運動を推進した。
これにより国民からさまざまな意見がうまれるが、
毛沢東は翌年に方針を転換。
党を批判した人々を反体制者として容赦なく粛清していった。
60年、中国西部ゴビ砂漠の収容所に、上海からひとりの女性がやってくる。
捕らえられた夫に会いたいとひたすら懇願する彼女の声が、
男たちの心に変化をもたらしていく。(以上、映画.comより)

テレビでこの映画を見ていたが、あまりの凄惨さに途中でテレビを消してしまった。
ゴビ砂漠周辺の荒れ地で撮影されたものだろうか、画面全体が乾いている。
バックに流れるのは音楽ではなく風の音だけ、そして人の泣き声。
この映画は今でも中国国内では上映が禁止されている。

私が最初に中国に行った時、愉快に話している最中でも、話が少しでも
政治や文化大革命の話になると、中国人は一様に怯えた顔をした。


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