ユンボ5
私の背後に回ったユンボは、私の肩をそっと掴んだ。
これが私がユンボに触れる最初で、いやユンボが
私に触れる最初であった。
ユンボの手は思ったより柔らかく人間の手と殆ど
変わらないように思えた。
それより何よりユンボの肩もみは素晴らしかった。
掌が動くだけではなく、手全体が心地よく振動した。
「ああ!振動が気持ちが良い。」私が言うと。
「この振動は効率良く脳の中でアルファ波を作りだすための
1/f振動になっています。」ユンボが言う。
さすが介護用のプログラムである。
そしてユンボは口では五木の子守唄を口ずさんでいる。
どうも子守用のプログラムが混じっているようであった。
あまりの心地よさに私はそのまま寝込んでしまった。
次の朝目を覚ますと、ユンボが私を優しく揺すっていた。
「起きてください、朝食が出来ています。」ユンボはそう言った。
びっくりして飛び起きると、私はベットの上に寝ていた。
「あれ!誰がベットに私を運んだのだ?」と私は叫んだ。
「私が運びました。」ユンボはは言った。
「え!わ、私は少なくても75Kgはあるのだが、その私を
持ち上げてベットに運んだと言うのか?」私は叫んだ。
「そうです私はフル充電された状態で250kgまでの
物を持ち上げることがで出来ます。」
「250K!」私は言った。
「ご不満ですか、ご不満の場合は私に装備されている
標準バッテリーを特別なスーパーリチュウムイオンバッテリーに
交換することで500kgまでの物を持ち上げる事が出来ます。
今なら夏の特別キャンペーンで定価65万円のところ。。。」
「わ、わかった、とりあえず今のままでいいよ。」私は言った。
私は起き上がって、洗面所で顔を洗った。
そしてキッチンに行くと既に朝食が用意されていた。
朝食はフレンチトーストとオレンジジュースで有った。
卵とパンは確かに冷蔵庫に入っていた覚えがあるが、
オレンジジュースなどは冷蔵庫に入れてなかったはずである。
「おかしいな、オレンジジュースなどどこに有ったのだ?」
と私が言うと、
「冷蔵庫の隅の少ししなびた蜜柑を私が握りつぶしました。」
ユンボはそう言って少し笑った。
久しぶりの朝食を済ました私は、パジャマを洋服に着替えて
会社に出勤することにした。
家を出ようと玄関で靴を履いていると、「行ってらっしゃい、
はいお弁当」と言って、ユンボが四角い包みを手渡した。
「え!弁当?」私は思わず聞き返した。
続くかも。。。
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