もとむ、キャチャー
「でもとにかくさ、ただっぴろいライ麦畑みたいなところで、
小さな子供たちがいっぱい集まって何かのゲームをしているところを、
僕はいつも思い浮かべちまうんだ。
何千人もの子どもたちがいるんだけど、ほかには誰もいない。
つまりちゃんとした大人みたいなのは一人もいないんだよ。
僕のほかにはね。
それで僕はその辺のクレイジーな崖っぷちに立っているわけさ。
で、僕がそこで何をするかっていうとさ、
誰かその崖から落ちそうになる子どもがいると、
かたっぱしからつかまえるんだよ。
つまりさ、よく前を見ないで崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、
どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチするんだ。
そういうのを朝から晩までずっとやっている。
ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ。」
村上春樹 訳 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」より
「遠隔操作ウイルスによる連続威力業務妨害等事件」
PC遠隔操作 片山容疑者
遊んでいるうちに、クレイジーな崖から落ちてしまったんだな。
仮想空間で罪を犯して、現実社会で裁かれる。
クレージーな崖は、仮想空間にあって、そこから片山容疑者は、
現実社会に落ちたのだろうか。
それとも、崖は現実社会にあって、そこから仮想空間に落ち込むのか。