鳩の平和

我が家の中庭で冬の間せっせと鳩たちに餌をやっていたのを、
6月を境に一切やめてしまった。
急に鳩が嫌いになった訳ではない。
餌を食べにくる鳩が増えすぎたのである。

元来このキジバトというのは山に住む鳩であり、
ドバトとは違い群れになって行動することが
あまり得意とは言えないようだ。
その為に我が家の狭い中庭に置かれた餌を、
自分の縄張りに置かれた餌と主張する
鳩がたくさん現れたのだ。

そして、平和の使者として、たばこのデザインにもなったこの鳩たちは、
わずかばかりの餌の所有をめぐって、
醜い闘争にいそしむようになってしまった。

つまり、何のことはない、良かれと思って私がしたことが、
とんだ禍の種になって、これ以上ほっておくと、我が家は鳩の楽園とは程遠い
鳩たちの闘争の場となってしまうと思われたのだ。

それに加えて、我が家で育ったキジバトのチーヤンは、
巣だって2年目くらいまでは、「チーヤン」と呼ぶと、
頭をぶるぶるふるわせる癖で他の鳩との違いを主張していたのだが
3年目になると、その動作がだんだん小さくなり、
ついには頭を振らなくなってしまった。
そうなると、情けない話だが、もうどの鳩がチーヤンなのかわからない。


えさやりを止めたら、日に日にハトの数が減って、今では時たま暇な鳩が
中庭を訪れるだけとなった。

自然のものが自然に帰ったのである。
ローマのものはローマに、カエサルのものはカエサルに帰るのである。

そして「パックス・ロマーナ」ならぬ「鳩の平和」がおとずれたのである。

  

2014年10月07日 Posted by igoten at 08:37Comments(2)キジバトの飼育

ともだちのともだち



日曜の朝キジバトの「デーデーポッポ」と言う泣き声で目が覚める。

今年も本格的にハトが餌場に来るようになった。
キジバトは子育ての度にパートナーを変えることもあると言われるが、
この2羽のハトは、昨年も我が家のハト・レストランに来ていた定連では
ないかと思われる。

新米のハトは我が家の住人の気配を察知するとアッと言う間に
飛び去ってしまうが、このハトは私が近くの窓を開けて写真を
とっても逃げようとしなかった。

我が家のハト・レストランは裏庭のしかも軒先にあって、ちょっと図々しい
スズメですら、餌を食べるには遠慮するような場所にある。
ここにあの用心深いキジバトが餌を食べに来るからには、しっかりした
インストラクターが居たはずである。
もちろんそのインストラクターは、この軒先で育ったチーヤンである。

チーヤンは初め自分のパートナーを連れて来たのだが、子育てが
一段落してパートナー契約を解除して、再び新しいパートナーを
連れてくるが、前のパートナーのハトは今度はそのハトがインストラクター
となって新しいパートナーを連れて来る。
そんなわけで昨年はたぶん6羽程のハトが餌を食べに来ていた。

今年はどうなるのかな。

  

2014年03月10日 Posted by igoten at 08:43Comments(5)キジバトの飼育

帰って来たか



雪のさんさんと降る日、私は必至で庭の雪かきを。
するとキジバトが飛んで来て、家の敷地にはってある低い電線に止まった。

昨年の夏にせっせと餌を食べに来たキジバトのチーヤンは、11月に
姿を見せなくなった。
そのかわりにどう見ても他のハトと一緒にどこかに行き遅れたハトが、
一月の中ごろまで餌を食べに来ていたが、その後来なくなった。

そのハトがいつ来ても餌を食べられるように、餌鉢にハトの餌を入れて
おいたのだが、今朝見るとその餌が殆ど食べれれていたのだ。
「そうか、行き遅れたハトがまた戻って来たのか」と私は思っていた。

でもそのハトは人の姿を見ると、慌ててどこかに飛び去ってしまう。
普通のキジバトは皆同じで極めて臆病で用心深い。
軒下まで入って来て餌を食べるハトはどちらかといえば、例外である。

しかし、今目の前にいるハトは、私の姿を見ても逃げないし、結構近いところから
何かを確かめるように私をじっと見ている。

「え!チィータン?」と思わず声をかけた。
そのハトはさんさんと降る雪の中で、じっと私の方を見ていたが、私が
近づいて行ったら、ぱっと舞い上がって、飛んで行った。

あれは間違いなくチーヤンだった。
今年も帰って来た。

  

2014年02月10日 Posted by igoten at 11:37Comments(4)キジバトの飼育

淘汰されるもの



ついに我が家に餌を食べに来るハトは、若いハト一羽になってしまった。
親バトと思われる鳩もどこかに行ってしまったのだ。

一羽だけ寂しそうに餌を食べているハトを見ながら、
「どうしてこのハトは行かなかったのかな...」と独り言を言うと、
「知らなかったんじゃないの」と家人が応えた。

冬にどこかに行くことをこのハトは知らなかったのではないか
と言うのである。

野生の鳥や動物にとって自然は時として厳しい。
不運なものや弱い者は淘汰されて消えていくのだ。
  

2013年11月19日 Posted by igoten at 07:47Comments(0)キジバトの飼育

10月21日の記事



秋も深まって、もうすっかりすべてのキジバトはどこかに
行ってしまったと思っていたのだが、どうしたわけか
小さなキジバトと少し太ったキジバトが朝晩
我が家のエサ置き場をうろうろしている。

「行き遅れたのよね」と家人。

小バトが小さかったので、遠くまで行くのは無理と、
親バトが他のハトとどこかに行くのをあきらめて、
残ったのだろうと私は勝手に解釈する。

そしてかわいそうだからと餌ばちにたくさん餌を置く。
小バトは自分より大きい餌ばちのふちに少し不安定に
止まって、美味しそうに餌を食べている。

「このハト今年の冬生き残れるかしら」と家人。
私は焦って、もう一握り餌ばちに餌を追加する。

もしかしたらこのハトたちはこの冬ずっと餌を
食べに来るかもしれない。

最近分かったことだが、キジバトはなわばり意識をドバト
より強く持っている。
自分のなわばりに侵入してくる他の鳥を追い払おうと
するのだ。

もしこのハトたちに餌をやり続けると、このハトたちは
我が家を自分のなわばりとして意識するだろう。
そして来春もしチーヤンが帰って来た時、チーヤンを追い払う
だろう。
そうなるとちょっと困ったことになるなと私は考える。

でもいいのかなとも思う。
チーヤンはすでに立派な野生のキジバトで、もしかしたら
人間との接点を持たない方が良いのかもしれないと。

人間もハトも一期一会なのだ。
出会いがあって別れが有る。
そんなものなのだろう。

  

2013年10月21日 Posted by igoten at 21:00Comments(4)キジバトの飼育

子バト



この子バトが最近来ている。
チーヤンよりも一回り小さい。

初めはチーヤンの連れと来ていたが、最近は一羽で来る。
どうもチーヤンの子供のようだ。

でもチーヤンは時々このハトを追っ払ったりしている。
ハトの世界も複雑である。

目鼻立ちがしっかりした良いキジバトだと私は思うのだが。(笑

  

2013年08月23日 Posted by igoten at 17:23Comments(4)キジバトの飼育

鳥とアイスクリーム



本日は松本地区に地震があり、もしかしたらと
冷や汗をかいた。
幸い大したことは無かったのですが。

さて、鳥というのはとても臆病な生き物です。
ちょっとからかって、ガリガリ君の小さな
塊をギャングにやったら、いつもは臆病なぷっち
がくちばしで挟み、そのあと「ギャー」というような
声を出して、ガリガリ君を大慌てで振り払い、
ケージのすみに隠れて、呼んでもしばらく出てこなかった。
よほど驚いたものと見える。
たぶん熱いと勘違いしたのではないかな。


  

2013年07月30日 Posted by igoten at 19:00Comments(2)キジバトの飼育

ハトの子育て



最近チーヤンは子育てが終了したようだ。
朝晩は餌を食べに来るが、ちょっと食べただけで直ぐにどこかに
飛んで行ってしまう。
それと、ときどき恥ずかしそうにチーヤンと一緒に餌を食べに来た
連れも、このところとんとご無沙汰なのだ。

ハトの子育ては、子バトが巣から飛び去って行けばそれでたぶん
それでお終いなのだろう。
どこかで自分の子供に会っても、そのハトが自分の子供なんてことは
わからないのだ。

それはそれであっさりしていていいのかな。


  

2013年07月11日 Posted by igoten at 16:49Comments(2)キジバトの飼育

持てる者の悩み



ハトのチーヤンは最近結構忙しい。

先ず我が家の庭に来て、自分の連れ合い以外のハトを追い払う。
庭に来ている鳩を追いかけて、「ホウ」と言うだけなのだけど、
これでも、結構効果はあるようだ。

たぶんハトにも縄張りが有って、チーヤン以外のハトは
他人の縄張りに入っていると言う後ろめたさがあるんだろうか、
大きなハトが小さなチーヤンに追い払われている。

連れ合いのハトはチーヤンと一緒に餌を食べるのだが、人間の
気配がすると、バタバタと逃げ去る。
チーヤンはそんなことはお構いなしに餌をついばむ。

縄張りと言うのは一種の利権だな

チーヤンは巣から転がり落ちた時は、住む場所はおろか、
親まで一瞬で無くしたのだが、その後毎日餌を貰えると言う
大変な利権を手に入れたことになる。

まあ、持てる者は持てるもので、自分の財産を守ろうとして
忙しいのだが。

  

2013年06月28日 Posted by igoten at 11:26Comments(2)キジバトの飼育

喧嘩は気合



庭で仕事をしていたら、何か黒い物が2つ目の前を
ものすごいスピードで飛んで行った。

良く見ると前を飛んでいるのはキジバト(たぶんチーヤン)、
後ろから追いかけているのはヒヨドリ。
何と、ハトは自分より半分くらいの大きさしかないヒヨドリに
追いかけられて必死で逃げているのだ。

チーヤンは何かヒヨドリの気に障ることをしたのかな。
しかし”なさけない”

まあ、ハトの必殺技は羽叩き、両方の羽根を大きく広げて、
標的を叩くのだ。
「バサッ」とすごく大きな音がする。
ただし単なるおどしで、叩かれても全然痛くない。

次の技は嘴でのつっつき、これも迫力はあるのだが、ボタンインコの
咬みつきに比べれば、全然破壊力は無い。
これも単なるおどかしである。
つまり、ハトは確たる攻撃能力を持たないのだ。

しかし、ヒヨドリだってそんなにすごい攻撃能力があるとは
思われないのだが、気合がすごい。
鳥の喧嘩でもやっぱり最後は気合だな。

  

2013年06月25日 Posted by igoten at 10:18Comments(4)キジバトの飼育