オランダの涙

まるで涙のような恰好をしたガラスが有る。
これは 「オランダの涙」 (強化ガラス) と呼ばれるが、
この涙の太い部分をハンマーで軽く叩いても割れることは無い。
しかし細い尾を引いた部分をペンチなどで割ると、
全体が粉々に砕け散る。
これは溶融したソーダガラスを水中に滴下させて作る、
強化ガラスの一種である。
力を封じ込めると、そのものは強固になる。
しかし一旦力のバランスが崩れると、全体が
粉々に砕け散る。
民主主義と言うのは選挙が有ったり、自由な発言の
場が有ったりして、人々のエネルギーの平均化が行われる。
しかし一党独裁の国は言論統制などで、エネルギーが
内部に蓄積され、何かちょっとしたきっかけで全体が
粉々に砕け散る危険性をはらんでいる。
つまり、高いエネルギーは必ず平均化されると言う
エントロピーの法則が有るのだ。
かの国はまさに「オランダの涙」状態にあると言える。