アンダーグラウンド



オウム真理教が起こした地下鉄サリン事件から既に
20年が経過しようとしている。
そしてこの事件は既に風化して、人々から忘れられようとしている。

アマゾンのこの本の内容紹介によると、
『1995年3月20日の朝、東京の地下でほんとうに何が
起こったのか。
同年1月の阪神大震災につづいて日本中を震撼させたオウム
真理教団による地下鉄サリン事件。
この事件を境に日本人はどこへ行こうとしているのか、
62人の関係者にインタビューを重ね、
村上春樹が真相に迫るノンフィクション書き下ろし。』

となっているが、この本を読んでみても地下鉄サリン事件の
真相がわかるわけではない。
すなわち62人の関係者は殆どが被害者であり、
被害者にインタビューしてみても、事件の真相は
分からないと思うのだ。

この本のタイトルの「アンダーグラウンド」は「地下」
という意味で、「地下鉄」という意味ではない。
たぶんこれは人間の持つ暗い闇の部分を象徴しているのだろう。
本の題名からしても、村上春樹はこの事件の真相を解明しようとして
この本を書いた訳では無いと思われる。

けだし、村上春樹と言う作家はノンフィクションという分野は
もっとも不得意とする分野のように思える。
なぜなら彼の旅行記「遠い太鼓」「雨天炎天」など
を読むと分かるのだが、彼の視点は滞在先の景色や
人々などを直視して書くというのではなく、
少し視点をずらして書くという手法をとるからだ。

しかしこの本の膨大なインタビューを読んでいると、
たぶん村上春樹が書きたかった、地下鉄サリン事件の
持つ深い闇に部分が緩い恐怖とともに湧き上がってくる。



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2015年03月11日 Posted byigoten at 09:44 │Comments(2)読書

この記事へのコメント
地下鉄サリン事件は、まるで江戸川乱歩の奇々怪々の狂人、
あるいは、横溝正史のおどろおどろしい人間関係のようだ。
犯罪は犯人を逮捕し、隔離すれば一件落着する。
同類犯罪が頻発するなら、法律改正で対応もできる。

しかし、白昼の恐怖の『地方消滅』はどうしたらいいのか。
ブラックホールの東京の出生率は全国最低の1.13である。
都市の人口とは、周辺からの流入で維持されるにすぎない。
全国最高の出生率の沖縄さえ、1.94で、2は超えない。
田舎は、低出生率の上に、人口は流出し、高齢化が進む。
否、今や高齢者も率では高いが、絶対数は減少している。

結婚は個人の問題、出産は家族の問題、
移転は個人の自由、雇用は当事者間の自由契約。
すなわち、行政は、結婚や出産を強制できず、
法律は、移転や雇用を取り締まることはできない。

以上、読書中の「地方消滅」と「地方消滅の罠」より。
Posted by 徒然man at 2015年03月11日 21:10
徒然man さん
  「地方消滅」ですか。
 もうこれは行き着くところまで行くしかないですね。
 産みっぱなしOKという社会を作れば、多少は増える
 気がします。
 ドイツなんかだと私がいた30年くらい前は、子供一人に
 つき現金で35、000円ほど月に支給されて、それを目当てに
 子だくさんのトルコ人なんかが移住してきていた。
 日本でも子供一人5万円くらい現金で支給すればいいと思うのだが。

 
Posted by igotenigoten at 2015年03月12日 18:41
 
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