研究者たち
助手:「教授、ついに研究が完成しました」
教授:「ほう、完成したかね」
「ところで君の研究のテーマは何だったかな?」
助手:「はい、擬態に関する研究です」
教授:「擬態かね、それでどんな?」
助手:「キアゲハの幼虫を見ていて気付いたんですが、
キアゲハの幼虫は実に上手に周りの物に擬態します、
そこでその遺伝子を分析して人間に移植する
研究です」
教授:「人間が擬態するのかね? そんなことをしたら
誰が誰か見分けがつかなくなって困るのでは?」
助手:「大丈夫です教授、人間の擬態は自分の意志で
コントロール出来ますから、今からやってみますから
ごらんください」
そう言うと助手は着ているものを脱いで、教授の部屋に
あった本箱に擬態した
助手:「どうですか教授」
教授:「これは驚いたどう見ても本箱にしか見えないな」
助手:「そうでしょう、ここまでなるに16年かかりました」
教授:「16年か、まあ何の役に立つかは判らんが、クラゲが
光るのを研究してノーベル賞をとった人も
いるくらいだからとりあえず論文を書いて
学会に発表したまえ」
助手:「ありがとうございます、教授」
教授:「それと今日はゆっくり休みたまえ」
助手:「はい教授」
何年ぶりかで街に出た助手は昔良く通った
赤提灯ののれんをくぐった。
久々の酒は、はらわたに沁み通った。
すっかり研究完成の美酒に酔いしれた助手は
飲み屋を出た。
それは蒸し暑い夏の夜であった。
たまらず助手は着ているものを脱ぎ出した、研究室では
いつもそうしていたのだ。
しかしその頃はもうだいぶ酒が効いてきて、
頭は朦朧となり、そのまま路上で寝てしまった。
しかも道路に擬態して。
折悪くそこに大型トラックが.....
運転手:「変だな、いま何かはねたような音がしたが、
路上には何もなかったし、気のせいか」

2009年11月12日 Posted byigoten at 07:15 │Comments(4) │SF
この記事へのコメント
面白~い☆(拍)
教授と助手との問答がはじまった時点で、
ぁ、これはまた例のショートショートだなって気づくわけですよ(笑)
教授と助手との問答がはじまった時点で、
ぁ、これはまた例のショートショートだなって気づくわけですよ(笑)
Posted by うたかた夫人 at 2009年11月12日 09:07
よくぞこんな物語がすぐにできるものです。
最後は悲惨ですね~
女風呂の壁のタイルになりたいとか思いませんか?
最後は悲惨ですね~
女風呂の壁のタイルになりたいとか思いませんか?
Posted by 駄菓子の雅
at 2009年11月12日 12:31

すばらしー(パチパチ)
ブラック大好き~♪
雅さんの発想もすご~い@_@
ブラック大好き~♪
雅さんの発想もすご~い@_@
Posted by 北の魔女
at 2009年11月12日 17:48

うたかた夫人 さん
この前青虫の記事でうたかたさんのコメントを書いてる時に
机に擬態して居眠りしてたら楽だなと思った時に
ショート・ショートにしようと考えました。
駄菓子の雅 さん
そうだよね、それを先に考えるのが正統派ですよね。
そして待てど暮らせど近くの養老院のお婆さんしか
来ないので最後は疲れて壁から転げ落ちるという
これが本当の「落ち」というやつですね。
最後はこの人悲劇じゃなくて、結構幸せにあの世に...
北の魔女 さん
こういうのを研究してる人ってのは相当変わり者が多いんです。
しかもこの教授も結構いい加減で、自分の助手が16年も何を
研究してるか知らなかったというところも結構ブラックなんです。
そうそう雅さんに教えてもらいました。
この前青虫の記事でうたかたさんのコメントを書いてる時に
机に擬態して居眠りしてたら楽だなと思った時に
ショート・ショートにしようと考えました。
駄菓子の雅 さん
そうだよね、それを先に考えるのが正統派ですよね。
そして待てど暮らせど近くの養老院のお婆さんしか
来ないので最後は疲れて壁から転げ落ちるという
これが本当の「落ち」というやつですね。
最後はこの人悲劇じゃなくて、結構幸せにあの世に...
北の魔女 さん
こういうのを研究してる人ってのは相当変わり者が多いんです。
しかもこの教授も結構いい加減で、自分の助手が16年も何を
研究してるか知らなかったというところも結構ブラックなんです。
そうそう雅さんに教えてもらいました。
Posted by igoten at 2009年11月12日 21:08