中国行のスロウ・ボート

中国行のスロウ・ボート

村上春樹の小説は何かに似てるような気がしていたが、
それがなんなのかもうちょっとで出そうなんだが、
なかなか出なかった。
ところがこの短編を読んでいて、ハタと気が付いたのである。

ジグソーパズル、それもピースが1/3位無くなってしまった、
ジグソーパズルの似ている。

この本は短編集である。
表題の短編『中国行のスロウ・ボート』他6篇が収録されている。

『中国行のスロウ・ボート』はアルバイト先で知り合った中国人の
女の子と、デートをするのだが、彼女の家の門限がせまっている時、
誤って山の手線の反対周りに彼女を乗っけてしまう。

誤謬.......、誤謬というのはあの中国人の女子大生が言ったように
(あるいは精神分析医のいうように)結局は逆説的な欲望
であるのかも知れない。

と書いている、フロイド的ですね。
なにかとんでもない間違いをおかし、人を傷つけてしまった場合。
なんでこんな間違いをおかしたのか自分でも理解でき無い時、
もしかしたら無意識の中で、その人が苦しむことを願っていたかも
知れないと言う意味か。
まあフロイド的にはもっと性的な要素が入って来るのだが。

この短編の終わりは、
友よ、
友よ、中国はあまりにも遠い。

となっている。
青春時代が60年代に近い読者は、
友よ、答えは、
友よ、答えは風に吹かれてる。
と歌う、ボブ・ディランの『Blowin' In The Wind(風に吹かれて)』が
聞きたくなるだろう。




同じカテゴリー(読書)の記事画像
イチゴ天国
馬に嫁
夏目の妻
風は吹かない
雑誌とは、はかない読み物ですね
ペリー来航
同じカテゴリー(読書)の記事
 イチゴ天国 (2017-05-15 14:24)
 馬に嫁 (2017-04-13 11:17)
 夏目の妻 (2016-10-18 16:38)
 風は吹かない (2016-10-14 07:39)
 雑誌とは、はかない読み物ですね (2016-07-20 16:51)
 ペリー来航 (2016-07-15 10:12)

2011年12月10日 Posted byigoten at 08:00 │Comments(2)読書

この記事へのコメント
「ピースが1/3無くなったジグソーパズル」とは言い得ていますね!拍手~!!

「夢を見るために~」では春樹氏が外国人記者のインタビューに饒舌に応えていたのですよね?
彼は日本では講演をほとんどしないけど、外国の大学なんかでは時々英語で行っているという話を思い出しました。
日本語で話そうとすると、あまりに多い語彙に押しつぶされそうになるそうです☆
その点、英語だとストレートに気持ちを伝えられるのだとか☆

だから英語のインタビューに英語で答えるというスタイルだと、より自分の言いたいことが話せたのでは?
…なんて思ってしまいました。

また読みたい本が1冊増えました♪
Posted by ミロ at 2011年12月14日 16:02
ミロ さん
 はい、結構饒舌です、珍しく。

 そうなんでしょうね、英語の方が自分の考えを
 ストレートに表現出来ると思っている。
 日本語だと自分の考えをもっとうまく表現する言葉が
 あるんじゃないかと探してしまう。
 英語は確かに語彙が少ないので、迷うことなくエイヤっと
 言ってしまうことが出来るんでしょうね。
Posted by igoten at 2011年12月14日 19:46
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。