無言歌



苛政とはひどい政治を言う。

孔子が弟子たちを連れて、泰山の近くを通りかかったとき、
一人の婦人が墓の前で泣いているのに出会った。
孔子は弟子の子路にその訳を尋ねさせた。
「あなたの泣きかたは、度重なる不幸に見舞われた者のようですが、
いったい何が有ったのかと」
婦人は答える
「はい、以前、わたしの舅が虎に殺され、夫もまた虎に殺されました。
そして、今度は、我が子までも殺されてしまいました」
孔子は不思議の思って尋ねる。
「そんな恐ろしい虎がいるこの村をなぜ去らないのですか」と。
婦人は答える。
「ここには苛政がないからです」
孔子は弟子たちに言った。
「おまえたち、これをよく覚えておきなさい。苛政は虎よりも恐ろしいものだと」

「無言歌」 ワン・ビン監督
1956年、中国共産党の毛沢東は、党に対する批判を受け入れる
「百花斉放百家争鳴」運動を推進した。
これにより国民からさまざまな意見がうまれるが、
毛沢東は翌年に方針を転換。
党を批判した人々を反体制者として容赦なく粛清していった。
60年、中国西部ゴビ砂漠の収容所に、上海からひとりの女性がやってくる。
捕らえられた夫に会いたいとひたすら懇願する彼女の声が、
男たちの心に変化をもたらしていく。(以上、映画.comより)

テレビでこの映画を見ていたが、あまりの凄惨さに途中でテレビを消してしまった。
ゴビ砂漠周辺の荒れ地で撮影されたものだろうか、画面全体が乾いている。
バックに流れるのは音楽ではなく風の音だけ、そして人の泣き声。
この映画は今でも中国国内では上映が禁止されている。

私が最初に中国に行った時、愉快に話している最中でも、話が少しでも
政治や文化大革命の話になると、中国人は一様に怯えた顔をした。

  

2013年07月09日 Posted by igoten at 11:00Comments(0)映画