VW high up! 試乗レポート(2)
さて早速試乗してみることに。
このクラスの車としては重いドアを開ける。
車のドアは普通開閉途中で止まるようにストップカムと呼ばれるものが
付いている、この車もドアの開閉は途中3か所で止まるのだが、ドアを徐々に
開けて行って、カム溝に近付くとその穴に引き込まれる。
ドイツ車はこの辺のところが頑丈に出来ていて、そろりとドアを開けて行っても
カム溝付近でガーンと引き込まれる。
狭い場所で、一寸ドアを開けて降りようとしても、ドアがバーンと開いて、
ドアの角を他の車やガレージの壁にぶつけることが有るので注意が必要である。
逆にこの力が弱いと、強風なんかでドアが押し戻されて手を挟む危険が有るのだ。
ドアの根元を見ると、国産車なら間違いなくドアを支えるヒンジは板金であるが、
up!の場合は、鋳物を切った物が付いていて、このドアなら大人3人はぶら
下がれそうである。
これだけ丈夫に作ってあれば、長い間乗ってもドアにガタが来ないだろう。
さすが剛性が売り物のドイツ車、好感度は上がる。
先ずはエンジンスタートだ。
この車にはキーレスエントリーは付いていない。
つまりエンジンを始動するためには必ずキーを差し込んで
回さなければならない。

始めにキーを受け取った時に、ちょっと見た感じでキーが
見えなかったので、この車はキーレスエントリーなのかな
と思ったのだがそうではなく、キーが折り畳み式になっていたのだ。
写真左側の丸いボタンを押すと、ジャックナイフのようにキーが
飛び出す。
たたむときはボタンを押しながら折りたたむのだが、カチツと
良い音がする。
不良少年が手持ち無沙汰な時に、ジャックナイフを開いたり閉じたりして
カチャカチャ遊ぶように、不良中年は車のキーをカチャカチャさせて
遊ぶのだ。(笑
そしてこのキー、結構重い。
これぞDeutschland Produkt(ドイツ製品)である。
キーをハンドルの右のキー溝に差し込んで回し、
いよいよエンジンスタートだ。
このキーを回すのにかなりの力が必要である。
キーが壊れるのではないかと思われるほど力を入れて回さないと
エンジンがスタートしない。
基本的に、日本車は日本人の体形に合わせて、
ドイツ車はドイツ人の体形に合わせて設計される。
ドイツ人は女性でも結構力が有る。
従ってドイツ車は日本車に比べて、すべてに力が必要なのだ。
これを、「オー、ソリッド」と思う人と、「重いなあ」と思う
人に評価が分かれる。
勿論ドイツ人にすれば普通のことであるのだが。
エンジンスタートをするときちょっとした落とし穴が有る。
ブレーキを踏んでキーを回さないとエンジンがスタートしないのだ。
ブレーキを踏まないでキーを回し、「あそうか」と思い慌てて
ブレーキを踏んでもエンジンはウンともスンとも言わない。
一旦キーをもとに戻しブレーキを踏んで、再度挑戦と言う段取りになる。
ブレーキを踏まなくても車はギヤがニュートラルに入っていることを
知っているにだから、エンジンが始動しても安全性に問題は無いと
思うのだが。
フォルクス・シューレ(国民学校)の先生のように、ドイツ製品は
頑固なのだ。
この辺はフェールセーフ、二重安全の設計となっているのであろう。
この車のエンジンは1Lで、バランスシャフト無の直列3気筒である。
日本の場合は3気筒は軽自動車に多くの普通車は少ない。
4気筒エンジンはクランクシャフトが1回転する間に4回の爆発が起こり、
3気筒エンジンは3回の爆発が起こる。
回転角でいうと4気筒エンジンは90°に一回、3気筒エンジンは120°
毎に爆発が起こることになる。
その結果同じ出力を取り出そうとすると、3気筒エンジンは4気筒エンジンと
比較して、トルクムラと騒音が大きくなる傾向にある。
この辺に関してup!はいかがであろうか。
先ずエンジンの振動であるが、3気筒のエンジンにしては振動が
少なく感ずる。
エンジン音も思ったより低い音で、気になるほどの音ではない。
ただしトヨタアクアなんかに乗っている人は、この車壊れているんじゃ
無いかと思われるほどうるさく感じ、ビッツに乗っている人は
同じくらいだと思う。
まあ車好きの人はたいていエンジン音が好きで、エンジン音がしない
車に乗るとなんか落ち着かない、私も自分で運転するならちょっとエンジン音の
大きな車が、人の運転で載せてもらうならエンジン音の静かな車が
良いと思うのだが。
続く...