逆システム学

自然科学の理論と言うのは何時かは実証される
可能性が強いのである。
アインシュタインは一般相対性理論で重力により区間が
曲げられると言う理論をたてた。
そしてそれは太陽の陰にあり見えないはずの星が、
日食の時に見えることで、太陽の重力により空間が曲げられている
と証明された。
では自然科学ではない経済学の理論が正しいか正しくないかは、実証されることが
有るのだろうか。
この本は恐ろしい本である。
経済学を生命科学とりわけ遺伝子学から説明しようとするものである。
作者の一人である金子勝は、あの竹中平蔵の金融自由化路線に
反対し、激しい論戦を行った経済学者である。
もう一人の児玉龍彦は生命科学者である。
この本を読むとなぜ生物が進化するのかと言う進化論では最も難しい
部分が、おぼろげに見えてくる。
しかしこの本の本題はその遺伝子レベルの進化論を使って経済学を
説明しようとするものである。
バブルによる長期の経済低迷後、小泉・竹中路線によって壊れてしまった、
セーフティーネットが経済の為になぜ必要なのかを遺伝子レベルで
説明しているのである。
この本は極めて難解であって、一度や二度読んだだけではとても私には
理解不能であるが、何となくこの本の言いたいことは感じ取ることが出来た。
生物の細胞の中には数千のセンサーが有りこれらが壮大なネットワークを
作り、複雑な多重のフィードバックシステムを形成している。
そしてその中で最も良い調整方法が選択されるという。
『平成の開国』などと言う言葉に騙されて、政府が強引に国を開けると、
今まで正常に機能していた多重フィードバックが切れて、『適者生存』と
言う強い者の論理が弱者を滅ぼして国が壊滅的な打撃をこうむると
この本は警告する。