フキノトウの味噌汁

(そろそろフキノトウが出ている)
特にこれといって嫌な食べ物と言うものは無いのだが、
強いて上げると、味噌汁に入れたフキノトウが嫌いである。
食卓にフキノトウが入った味噌汁を見つけると、私は
「ギャー」と言ってなるべく息をしないようにして、その味噌汁を
自分の席から遠ざける。
「なんでフキノトウを味噌汁なんかに入れるの、こんなの
ルール違反じゃなにか」と私が言うと、
「どうして?」と言いながら女房は何もない顔で味噌汁をすする。
もちろん私のは食わず嫌いでは無い。
試しにフキノトウが入った味噌汁をすすってみると、
毛穴と言う毛穴から体中の食欲が抜けていく様子が分かる。
しかし私はフキノトウが特に嫌いと言うことは無く、天婦羅にすると
2つや3つは食べても平気である。
まあ大好きであるとは言い難いのだがアクセプタブルなのである。
東京に住む会社の先輩はこのフキノトウが大好きで、2月も中ごろに
なると「フキノトウはまだ出ないの?」と催促をしてくる。
しかたなく私は雪の解けかかった田んぼの土手や畑の隅を見て回り、
食べられそうなフキノトウを摘んで先輩に送る。
すると時々そのお返しに豪華な生チョコなんかが送られてくる。
これはどう見ても私に利が有るトレードだ。
「フキノトウの入った味噌汁を飲むくらいなら、チョコレートが入った
味噌汁を飲んだ方がましだ」と私はうそぶくのだが、そんなことは
どこ吹く風と女房はフキノトウが入った味噌汁をうまそうに
すするのである。