吉原手引草

「吉原手引草」

BOOK データベースより
なぜ、吉原一を誇った花魁葛城は、忽然と姿を消したのか?遣手、幇間、楼主、女衒、 お大尽―吉原に生きる魑魅魍魎の口から語られる、廓の表と裏。やがて隠されていた真実が、 葛城の決意と悲しみが、徐々に明らかになっていく…。誰の言葉が真実なのか。 失踪事件の謎を追いながら、嘘と真が渦巻く吉原を見事に紡ぎあげた、次代を担う俊英の傑作。

直木賞受賞作である。
たまたま「NHK週刊ブックレビュー」を見ていたら、作者の松井今朝子が出ていた。
「これを読むと当時の吉原のシステムがよくわかる。」と言っていた。
そんなもの今頃知ってどうするんだと思ったが、NHKと吉原花魁の組み合わせが いとおかしく即購入した、その時はまだ直木賞受賞前である。

内容は吉原の今をときめく花魁葛城が突如失踪する。
葛城を知る人のインタビュー形式で話が進んでいき、あっと驚く結末が。

面白くて普段は買わない高価な単行本なのに一気に読んでしまった。

作者の松井今朝子さんは歌舞伎フリークなので時代考証や背景は完璧。

この作者の「家・家にあらず」をイーブックオフで買ったがまだ読んでいない いつになるやら。

松井今朝子さんのブログ 「今朝子の晩御飯」 は面白い、
その日の食事をテーマにしているブロガーは多いがプロが書くとこうなるのだ。

  

2009年05月01日 Posted by igoten at 21:38Comments(0)読書

朗読者

朗読者
ベルンハルト シュリンク (著)
内容(「BOOK」データベースより)

15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。 「なにか朗読してよ、坊や!」―ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。 人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。 彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。 現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。


名作である。
作者はドイツ人。
『スイスで出版された原書を、キャロル・ブラウン・
ジェンウェイが格調高い英語に翻訳。』
ということであるが、この本はドイツ語から日本語に翻訳されている。

....15歳の僕は、母親といってもおかしくないほど年上の
女性と恋に落ちた。
「何か朗読してよ、坊や!」ハンナは、なぜかいつも本を
朗読してほしいと求める。

戦争犯罪、彼女の罪が徐々に明かされていく、感動のラストが....

私は外国の本はあまり読まない、翻訳がはいるからである。
事実この本の最初も次のように始まる。

『...その年の一月は暖かく、母は僕がバルコニーで横に
なれるようにしてくれた。
ぼくは空や太陽や雲を眺め、中庭で遊ぶ子供たちの声を聞いた。
二月のある夕刻には、ツグミの歌う声も聞こえた。』
この訳もちょっといまいちなんだよね。

『その年の初めは暖かい日が続き、母はベットを
バルコニーに運び出してそこに私を寝かしつけた。
そこで私はひがな一日、中庭で遊ぶ子供たちの声を
聞きながら、よく晴れた空に輝く太陽や所々に浮かぶ
雲を見て過ごした。
二月になると夕刻にはツグミのさえずる声が聞こえた。』
うまく書けないがこんな風にするとか。

藤沢周平先生は
『江戸の町の上にひろがっている夕焼けは、弥平が五本松に
かかるころは、いよいよ色あざやかになった。
南から北にかけて、高い空一面をうろこ雲が埋め、雲は赤々と
焼けている。
そして西空の、そこに日が沈んだあたりは、ほとんど金色に
輝いていた。
その夕焼けを背に、凹凸を刻む町の屋根が、黒く浮かび上
がっている。』
(橋ものがたり 「吹く風は秋」より)
なんて絵のように書いている。

まあそんなことをさし引いてもこの本は名作であり、一読の価値はある。
  
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2009年05月01日 Posted by igoten at 14:00Comments(0)読書

菜根譚(さいこんたん)

菜根譚(さいこんたん)
洪 自誠 (著)

BOOK データベースより
『菜根譚』は今から三百数十年前、中国明代の洪自誠が人間いかに生くべきかを、 様々な角度から論じた人生指南の書である。本書は、 「儒・仏・道」の三教を根幹とする『菜根譚』の真髄を体得して日常生活の指針とするため、 儒・道教の専門家と仏教、特に禅学を専攻する学者の2人が、 長年に亙り原典を全面的に見直し、これを究明し、その成果を新たに書き下ろしたものである。 現世を生きぬく知恵と処世の極意が満載された必読の書。


長年会社勤めをしていると不満、不平、挫折感、
孤立感などの色々な塵芥(ちりあくた)が溜まってくる。
そのような時私はこの本を読む。
この本を読むと心の中に溜まった有象無象の雑念が
リセットされる気がする。

棲守道徳者、寂寞一時。
依阿権勢者、凄凉万古。

自分が正しいと信じていることをしていても人は時として
寂しさ(寂寞)を感じるものである。
自分より権威や権限のある上司や経営者にへつらうのは
人間としての寂しさである。
たとえ一時的に孤独でも、人間としての虚しさを選択して
はいけない。
洪自誠はこのように説く。
  

2009年05月01日 Posted by igoten at 11:30Comments(0)読書