突然ですが(ドイツ騒動記)

(この写真はドイツ・デュッセルドルフのテレビ塔である、
この塔に登るとデュッセルドルフ近郊が一望できる。)
「あー君、今度ドイツの駐在員に決まったから」
ソーム部長Sさんが私の席まで来ていきなりそう言った。
当時私は某メーカーの技術者で、東京に有る開発センターに勤務していた。
「ドイツですか?」私はそう言うのが精一杯であった。
と言うのもつい先月まで、「君はアメリカの駐在員に内定しているから」
と言われていたからである。
それどころか一年前は 「3年位東京に行ってくれ」 といわれて信州の田舎から
出て来て やっと親子ともども、東京暮らしに慣れたところである。
当時外国は日本人憧れの地であり、私も入社当時は「海外勤務希望」
と会社に提出する書類には書いたものである。
しかし今はアメリカに行くのも少しためらっていた、独身時代であれば一も二もなく喜んで
出かけるところであるが 現在は3歳の娘がいる。
外国に赴任するとなると必然的に女房子供を連れて行く必要が有り、
それにはそれ相当の覚悟が必要であった。
「ドイツでの労働ビザの取得があるから、出発は2ヶ月くらい先になりますね」
ソーム部長Sさんは続けている、言葉は丁寧だがやっていることは極めて粗っぽく、
私がいやといわないうちに自分の仕事をさっさと済ませてしまおうと思っているのである。
...続く
付記:
これからしばらくの間、気が向いた時に、ドイツ駐在の顛末を書きます。
これは私のホームページに記載しているものをを手直したものです。