いざドイツへ...

(デュッセルドルフのメインストリート ケーニヒスアレー)
結局「無犯罪証明書」は住民票と身分を証明するものを持って
行くと案外簡単に発行してくれることがわかった。
その日家に帰って妻に「今度ドイツに行くことになったから」と言った。
「え!ドイツにいけるの?」妻は観光気分で、いたって脳天気である。
後にこの脳天気な性格に助けられることになるのだが。
しかしその後なかなかドイツの労働ビザが下りなかった。
理由は多分2つ有ったのだろう、1つはこれからドイツに会社を設立して
そこに就労する条件では労働ビザの取得が困難だったこと、
もう一つは当時ドイツは増え続けていたトルコ人労働者がドイツ人の
仕事を奪ってしまうという社会現象で移民などを制限していたのだ。
結局労働ビザが下りたのは申請してから6か月近く経った頃で、
労働ビザが下りたらすぐに出発するようにと言われていた私は、
その間殆ど腰を落ち着けた仕事も出来ず、毎日ビザは今か今かと
ただ待ち続けていたのである。
その間総務部長のSさんはちょくちょく私のところに来て
「君、まだビザは下りないのかね?」などとまるでビザが下りないのが
私の責任であるかのような言い方をした。
そしてもうもしかしたらビザなど下りないのではと思われたころ、
待ちに待ったビザが下りたのである。
それから出発までは忙しかった。
まずその当時住んでいた会社の社宅を引っ越して、女房子供を
私の実家に帰して、それから殆ど日を置かずに単身でドイツに向けて
出発したのである。
今から25年ほど前のまだドイツが東西に分かれていた頃のことである。