天才は努力しない

「天才とは1%のひらめきと99%の努力である。」とエジソンは言った。
しかし本当の天才は努力をしないのである。
エヴァリスト・ガロア(Evariste Galois, 1811年10月25日 - 1832年5月31日)
数学者として10代のうちにガロア理論の構成要素である体論や群論の先見的な研究を行った。
実はCDやDVD、衛星通信と言ったデジタル記録や通信と言うものは不安定で極めてエラーが
多いのである。
例えばCDやDVDは人が記録面をちょっと持っただけで指紋によりその部分は読むことが
出来ない。
又衛星通信や衛星放送は大気の状態や雷などで簡単に電波が乱される。
ではなぜCDやDVD、衛星放送が途切れないのだろうか?
デジタル記録や信号の通信方式の中にエラー訂正と言う技術があり
この技術により何らかの事情で消失したデーターを正確に復元しているのである。
最も簡単なエラー訂正技術はデーターを異なる場所に複数記録する方法である。
CDなら同じ音を別の場所にも記録しておくのである。
これなら一カ所が読めなくても別の場所のデーターを読み込めばいいことになる。
しかしこの方式はエラー訂正をより正確に行おうとした場合同じデーターを何カ所にも
書く必要があり、データー量が増えてしまう欠点がある。
そこでイギリス人のリードと言う人とソロモンと言う人が、デジタルデーターを一つの塊
として、方程式のように変換して異なった場所に書き込むことを発明した。
この方式は『クロス・インターリーブ・リード・ソロモン コード』と呼ばれる方式である。
クロス・インターリーブとは織り込んだ布と言う意味で、信号を布を織るように埋め込むのである。
『クロス・インターリーブ・リード・ソロモン コード』をごく簡単に概念的に
説明すると以下になる。
連立方程式は式の数だけ未知数を取ることが出来る。
たとえば 3と4と言うデーターが有ったとしよう、それに
PとQと言う変数を加える。
A = 3 ---①
B = 4 ---②
A+B+P+ Q = 0 ---③
A+2B + P+2Q = 0 ---④
と言う式が成り立つようにP、Qを決める。
この場合Q=-4、P=-3となる。
実際にデーターを書き込む場合は3と4と言うデーターに加えて-4と-3も書き込む。
そしてこれらのデーターは連続した場所ではなく離れた場所に書き込んでおく。
こうするとこのデーターのうち2つのデーターが無くなっても(完全消失と言う)
ほかの2つのデーターから他のデーターを再現できるのである。
ではこの方式と単純に同じデーターを2カ所に書く方式とはどのような違いが
有るのだるか?
単純に書く方式はたとえばAのデーターが2カ所消失するとAは復元出来ない。
しかし連立方程式の場合任意の2カ所のデーターが消失してもデーターは
復元可能なのだ。
さて本題に戻ろうこのリード・ソロモンコードは現代のすべてのデジタル通信、デジタル記録に
使用されていると言っても過言ではないが、この基になった理論は100年以上も前に
天才数学者エヴァリスト・ガロアが驚くなかれ10代の時に書いたガロア体の理論なのだ。
このガロアは通常の数学を志す学生が2年で習得する教材をなんと2日で読み解いて
しまったと言われる。
そして彼が10代で書いた理論は、現代でも物理や数学を志す者なら誰でもが知っている
あのガウスさえも理解できなかったと言われるのである。
しかもこの大天才は、まさに大天才の名に恥じない。
なんと21歳の時つまらない女性の為に拳銃で決闘をすることになり、その傷がもとで
短い生涯を終えるのである。
彼の論文の一部はいまだに紛失したままである。
真の天才は努力しないのである。
エヴァリスト・ガロア