危機5

「痛い」とにかく痛い。
夜寝ると2時間くらいして猛烈な痛みが襲ってきた。
足のくるぶしと親指が万力で締め付けられるように痛いのである。

あまりの痛さにベットから転げ落ちて、床の上で左足を抱えて 転げまわった。
私の場合腰と言うよりも足が痛かった、特に寝てから1時間位経った時と 朝起きてからである。

もう開業医のところに行っても駄目だと思った私は、秘書に この地域で最も信頼のおける病院はどこかと訊ねたのである。
秘書いわく、それは「デュッセルドルフ大学 附属病院」であると。

そこで私は痛い足を引きずって「デュッセルドルフ大学 附属病院」に行くことにする。
しかしここでも言葉とシステムの壁が私を待ち受けていた。
「デュッセルドルフ大学 附属病院」の受付でまず尋ねられたことは 「医師からの紹介状は持っているか」と言うことだった。
定かではないのだが当時のドイツの大学病院は直接患者が 診察してもらいに行くのではなくかかりつけの医師の紹介状が要ったのである。
今の日本のシステムもこれに近いものがあるのだが。

つまり医師の紹介状が無いとここでは診療は出来ないというのである。
これには弱った、しかし私も必死である、追い返そうとする受付の人に最後の食い下がりを試みる。
「帰りたくても殆ど歩けない」更に私は言う「夜も全く眠ることが出来ない」と。
受付ですったもんだしてると私の周りに若い医師が集まってきた。
受付の人も少し困った顔をしている、若い医師がドイツ語で何か受付の人に向かって言った。

「健康保険は持っているか?」受付の人が訊ねた。
「持っていない、しかし個人の保険には入っている」私は答えた。
「支払はどうするのか?」受付の人が訊ねる。
「アメックスコ」(アメリカンエクスプレス)私は答えながらクレジットカードを 出した。

「OK」受付の人は言った。
ようやく診察をしてもらえそうな雰囲気になってきた。
若い医師は私をレントゲン室に連れて行った。
そこでお決まりの腰の単純撮影を行ったのである。

現像された私の腰の写真を見て医師は言う「骨に異常はない」と。
結局私は急患として診察を受けたようである。
骨折やレントゲン写真で明らかに異常があればこれ以上の処置を してくれたと思うのだが、それが無い場合はこの医師にもどうしようもないのだ。
最終的にこれ以上の精密検査をしてもらうには開業医の紹介状が必要なのである。
(今考えると私はもしかしたら診察時間外に行ったのかも知れない、思い出しても 他の患者が居たという記憶が無いのだ。)

万策は尽きた。

つづく。。。
  

2010年02月04日 Posted by igoten at 07:13Comments(0)危機