自分でもたまげたよ

上の本であるが私はこの本の題名を
「1973年のビンボウ」(貧乏)
だとばかり思っていた。
本を注文して、本が来て、読み始めてそして気が付いた。
「ビンボウ」ではなく「ピンボール」であることを。
そして自分でも唖然とした。
私の頭の中のどこか非常に微妙な所のビスが1本緩んでいるに違いない。
この本は不思議な本である、私と鼠という主人公が出てくるのだが、 二人の接点はあるのに物語は全く交差しない、2つの別々の物語が 語られている。
「ノルウェイの森」に出てくる直子と同名の女性が登場する。
しかしこれはいい本だな、これほど上質の言葉が綴られている小説を 私は知らない。
『生温かい風が光を揺らせる。
まるで木々の間を群れとなって渡ろうとする鳥のように、空気がゆっくり流れる。
風は線路に沿ってなだらかな緑の斜面を滑り、軌道を越え、 木々の葉を震わせるわけでもなく林を抜ける。
そして郭公の声が一筋、柔らかな光の中を横切って彼方の 稜線に消えていく。
丘はいくつもの起伏となって一列に連なり、眠りについた巨大な猫のように、 時のひだまりの中にうずくまっていた。』
「1973年のピンボール」 村上春樹 著 より
じっと眼を閉じるとその光景が見える気がする。
井上ひさしが次の書評をしている。
「この倉庫での彼女(ピンボール)との邂逅場面の清楚な甘美さと 知的なセンチメンタリズムは上等でとても筆舌に尽くし難い。」
井上ひさし おしい人が亡くなってしまった。
それと、何か私が探していたものが見つかりそうな気がする....
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