キジバト飼育日記 2


(鳥は朝が好きだ、朝日に向かって飛んで行く鳥を
 想像するだけで何か少し勇気を貰える気がするのだ。)


記録的な猛暑が一段落して、朝夕の気温が少し寒く感じるようになった
9月の中頃、通常より少し早目に家に帰ると、いつもは私が帰った車の音を聞きつけて、
ワンワンと鳴いて散歩の催促をする飼い犬のコタが、
ウンともスンとも鳴かないのである。

何か変だなと思いながら犬が居る裏庭に行くと、離れの裏口から母が
顔を出し、コタの犬小屋の方を顎で指して「あれが居るのよ」と言った。
「あれって何」と私が言いながらコタの犬小屋の方を見ると、何か
灰色の塊がこちらに歩いて来た。

「やや! 何だ! あれは鳥の雛じゃん」と私は叫んだ。
それは何の鳥の雛かは分からないが、明らかに鳥の雛であった。
そしてその雛はよちよちしながらもどんどん私の方に寄って来て、
あっと言う間に足元まで来てしまった。

「これ、何時から居るの」と私は母に訊ねた。
「昼頃からかしら、ずっとコタの所に居るのよ、
コタを親だと思ってるんじゃない」と母は言った。
「何の鳥かな、カラスの雛じゃないかな」と私。
「そうかもしれない、何か大きな鳥でしょ」と母。

そこで私は急いで家に中に入り、PCに向かってネットで鳥の
雛の写真を調べた。
その結果、その雛はカラスの雛ではなく鳩の雛であることがわかった。
「まいったな」と私は思った、鳩は嫌いである。
それにも増して鳥の雛では子供の頃何回も悲しい思いをしたことが有った。

小学生の頃、川の近くの小鳥の雛を見つけて、自宅で飼おうとしたことが
有ったが、雛は一日で死んでしまった。
その後も何度か木の上から落ちた鳥の雛を飼おうとして餌などやったことが
有ったが、いずれも3日位のうちに死んでしまい、鳥の雛の飼育がいかに
難しいかということを思い知った。

鳥の雛を飼うことは出来ない相談だったのだ。


鳩の寿命は20年位だという。
思ったよりも長い。

鳩は1度に2個卵を産む。
年に2回産卵するとして、2羽の鳩が一年で6羽になる。

この計算でいくと世界中が鳩だらけになる。
でもそうならないのは、6羽のうち4羽が死んでしまう為である。

もちろん雛よりも親の方が何倍も生き残る可能性は大きいので、
それは雛たちが殆ど生き残れないということを意味する。

本当に幸運な雛が、親を出し抜いて生き残るのである。

もし、巣から落ちたキジバトの雛を育てて、野に返してやろうと考えるなら、
その雛が特別な雛で、数々の危険を出し抜いて生きていくだろうと
考えるより、その雛も巣から落ちなかった雛と同じように、自然に淘汰
される可能性が、とても大きいということを覚悟しなければならないのである。

  

2010年12月03日 Posted by igoten at 07:00Comments(2)キジバトの飼育