森の中の死

Sherwood Anderson著
ハトでもメダカでも犬でもそうなんだけど、動物に何か餌をやって
その動物が喜んで食べているのを見るのは楽しいものだ。
この本は図書館で間違って借りてきてしまった。
なんと英語で書いてある短編に日本語の解説が載っている。
読まずに返そうと思ったが、パラパラめくっているうちに面白そうな
短編に捕まった。
分からない単語はあちこちに有るのだが辞書など引かずにそのまま
放置してとにかく最後まで読んだ。
こんな出だしである。
彼女は年をとった女性で、私が住んでいる町の近くの農場に住んでいた。
多くの村や小さな町ではこのような老女を見かけるが誰も彼女らのことは
良く知らない。
....
彼女らは大抵幾羽かの鶏を飼っていてその卵を売りに町にやってくる。
この女性は少しばかりの塩漬けの豚肉や豆を買い、肉屋がタダでくれる
牛の内臓をもらって帰る。
彼女には4匹の痩せた犬が従っている。
彼女には何の特徴もないし誰も彼女のことは知らない。
実は彼女は世界中の不幸を一人で背負っているような人で有った。
両親の愛情を知らずに育ち、幼くして働きに出るが主人からレイプされ、
奴隷のように働かされた。
やがて彼女は結婚して子供が出来るが、亭主は馬泥棒で有り、子供は
大人にならないうちから刑務所の定連で有った。
絶望と孤独の中でそれでも彼女は愛情を持って動物たちを育てている。
どうやってみんなを食べさせていくか? それが彼女の問題であった。
犬どもは食わせてやらなければならなかった。納屋には馬や牛にやる
乾草が十分無かった。
彼女は犬に、馬に、牛に、豚に、鶏に食べさせなければならなかった。
それと彼女をまるで奴隷のように扱う息子やその嫁にも。
しかしそのことは唯一の彼女も楽しみでもあったのだ。
有る冬の日いつものようにこの女性は街に買い物に行き、
動物たちに早く餌をやろうとして、近道をしようとして森で死んでしまうのである。
彼女が死ぬと連れていた犬がまるで儀式を行うように彼女の
周りをぐるぐる回る、月の有る寒い晩に...。
そして犬たちは彼女が背負っている食べ物を食べようとして、バッグを引っ張ったのだ。
その結果彼女は丘の上の見晴らしのいい場所に引きずり出され、ドレスは破れて、
上半身があらわになった。
彼女の死体は1日、2日してハンターに見つけられるのだが、美しく凍っていた。
老婆と思われていた彼女は実は中年の女性であり、その死体はまるで、
若い少女のようで有った。
死んだことにより全く人々の注意を引かなかった彼女は、一躍時の人となる
のである。
結局彼女は動物を養うことで自分も生命を貰っていたのである。
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なかなかうまく書けませんがこの小説はかなり深くて難しいのです。
ここに全文が有ります、といっても英語なんですが。
もし暇なら高校時代に戻ったつもりで読んでみるというのもありかな...
DEATH IN THE WOODS