キジバト飼育日記 5



私は新しく来た客人の為に、新聞紙を底に敷いた、段ボールを用意した。
段ボールと新聞紙は鳥の雛を飼うための必須アイテムである。

「直接新聞紙じゃ寒いだろう」と母はその中に丸めたティッシュペーパーを
幾つか入れて、その上に雛を置いた。

”早く何か食べさせなければならない”私は焦っていた。
もう頼りになるのはインターネットからの情報だけである。

『ハト 雛 餌』と検索したPCの画面に絶望的な情報が表示されていた。
鳩のヒナは、親鳩が吐き出す、ピジョン・ミルクと呼ばれるものを食べて育ちます。
孵卵直後はピジョン・ミルクに由来する親からの抗体で病原菌の浸入に対応し、
生後30日~45日で自分自身の免疫機能が完成します。
以上の理由から、孵化直後から人の手で育てるのは非常に困難とされています。

私はあわてて『ピジョン・ミルク』を検索する。
・ピジョンミルクの成分は哺乳類のミルクと似ている

水分 65~81%
タンパク質 13~19% 各種アミノ酸を含む
脂肪 7~13%
ミネラル※と ビタミンA,B,B2 1~ 2%
炭水化物 含まれず
 ※カルシウムとリンの含有量は少ないが、ナ トリウムを多く含んでいる

ミルクは濃厚な液(固形分19~30%) で、粘度とみかけはカテージチーズそっくり。
水分を多く含むため、親鳥の体の水分確保にかなりの負担を強いる 
【嘴を鼻孔まで水中に入れて頭を持ち上げずに水を吸飲できる体の仕組みもこのための適応か】

こんなものは鳥を飼うことに素人の私には用意できない。
ホームセンターのペットコーナーに行けば何か見つけることが出来るかも
知れないが、今はもう夜で店は開いていない。

「とりあえず何か食べさせなければ、最悪はご飯を柔らかく煮た物でも無いよりは
良いか」そう思ってPCから離れようとして、もう一度ビジョン・ミルクの成分をみると、
その成分が、何かに似ている。
タンパク質と脂肪とミネラル、炭水化物は少な目、
タンパク質 29.2%%
脂肪  19.2%
繊維質 2.6%
....
「あれ、これドックフードと似てるじゃん」
「ドックフード」をお湯で柔らかくすれば良いんじゃないかな」
私は思った。
たぶんこの思い付きが鳩の雛の命をつないだ。

そしてドックフードがしばらくの間この雛の唯一の餌となるのだ。

付記:


ドックフードを良く見ると、色々な色や形のものが有る。
赤っぽい物は牛肉で薄緑のものは野菜、白っぽい物は骨粉と
袋に説明が書いてある。

私は主に赤っぽい牛肉を雛に与えた。
つまり我が家のチーヤンは幼いころは牛肉で育ったのだ。
今では餌として穀物しか与えないが、それでも試しにドックフードの
牛肉を水で柔らかくして与えると、物凄い勢いで食べる。

鳩が本来この食べ物が好きなのか、幼い時に食べた味が忘れられないのかは
分からないが、他の鳥でも試してみようかなと思っているのである。

  

2010年12月12日 Posted by igoten at 09:05Comments(4)キジバトの飼育