キジバト飼育日記 3

(メジロの雛とか雀の雛にしても、とても可愛くて思わず
ほおずりしたくなるのだが、鳩の雛はどうしたわけか、
ものすごく醜い。まるでぼろきれの様だった。)
とりあえず親鳥の所に連れて行ってみよう、私はそう思った。
それしか方法は思いつかなかった。
そしてその雛を拾い上げた。
私が拾い上げると、その雛はチーチーと小さな声で鳴いた。
私は雛を、犬小屋に一番近くて何度か鳩が入っていくのを見かけた
杉の木の下の草むらの中にその雛を置き、その場を離れた。
しばらくして私が物陰からその雛の居る場所をそっと覗くと、
雛はそこのうずくまっていてチーチーと小さく鳴いていたが、
親鳩の姿は全く見えなかった。
実は私は親鳩は来ないだろう思っていた、たとえ親が雛を見つけても、
自分の巣の中雛を戻すことは物理的にも不可能だった。
巣から落ちた瞬間にこの雛の運命は決まったのだ。
自然は無慈悲にそして無造作に動物たちの運命を決める、
この雛は生まれて一週間もしないうちに、その不条理によって淘汰されたのだ。
晩夏の薄暮が徐々に闇に呑み込まれていき、私の居る場所からもう雛の姿が、
見えなくなっていた。
私はどうすることも出来ずに、もやもやした気持ちを引きずって、
その場を立ち去った。